「武士の職分」を読んだ(かなり面白かった)
2017-02-19 | カテゴリ >> 読書感想文

去年、空港で暇つぶしに本屋行って偶然見つけた ジャケ買いした本です。
ところが読んでみると死ぬほど面白く、ここ数年ではBest3に入るほど自分の中ではHITしました。

周りの友人で知っている人が全然いなかったので、紹介します。

ざっくり言うと何の本なのか?

(たぶん)小説です。
江戸時代、幕府の中枢である江戸城では、本当にいろんな職業の人がいました。
普段時代劇や歴史の教科書には出てこない、けど とても重要な職種だった人の日々の生活を描いた短編集みたいな本です。

いくつかの職業、職種に至っては、最初読み始めた瞬間は
「え、そんな職業の人全然重要じゃなくね?」
と思ってしまうようなものもありますが、読み進めていくと
・江戸幕府(特に江戸城)のシステム
・徳川家で将軍を継ぐもの達の思惑
・江戸時代の諸大名や各藩とのつながり

などが見えてきます。
そうすると、
「なるほど、だからそんなに重要な職種なのか」
と理解が進むようになっていて、とても歴史の勉強になります。

各章の概略

詳しくは本を読んでもらう事として、
「では、どんな職業の話が出てくるのか?」
について簡単に触れておきたいと思います。

序章
 本の説明。作者からの挨拶。
+、珍しい職種紹介その1
・将軍の携帯トイレ係がいた
・肌に触れる部分はホースレザーで覆われ、高級感を演出すると同時に肌に触れても冷たさを感じさせない温もりある質感に仕上げられている。
・仕事の無い日は筒を一日中磨いていた。

一章:表御番医師の章

江戸城内に勤務する専任の医者仕事の話。
城で宿直で働いたり、自分の屋敷でも外来を受け付けて副業をしたりするエピソード。
たまに超偉い藩主の屋敷に呼ばれて出張で診察に行く。
しかし、そこには藩主専属の医者(しかも年上)がいるんだけど、将軍直轄の江戸城勤務医師(主人公)の方がスーパー偉いから威光放ちまくる の章。

二章:奥右筆の章

江戸城の中に(一般の企業で言う)総務部 / サービスセンターみたいなところがあって、いろんな決裁資料や、文章の管理を行っている。
ただの書類管理場所と思いきや、実は将軍の政治戦略において無くてはならない とっても大切な部署でしたという話。
外の人も、この総務部みたいなところとやり取りするのには大変気を使った。 けど、中の人もそれはそれでとっても気を使う大変な職業でした の章。

三章:目付の章

夜、城内の警備警戒を行う宿直の人のエピソード。
当時は警備会社に外注していなかったので、かなり身分の高い人がやっていた。
そんな中、ガチで権力がありすぎて日々の生活では家族も大変だったという話。

ある日、宿直を終えて家に帰った際の夫婦のやり取り
妻  「ちょっと実家に寄るね」
主人公「ならぬ」
妻  「え、なんで。ちょっとくらいいじゃん」
主人公「離婚じゃ」
妻  「・・・え」
の章。
読むと、なぜ妻が実家にすら帰れないのかが分かり 当時の人たちの仕事に命かける感半端ない事が伺える。

四章:小納戸の章

将軍の生活の世話をする執事みたいな人たちの話。
時の征夷大将軍は生活をするのに多くの人の手を借りなければいけなかった。
そして、将軍は天下人であるゆえに孤独だった。
小納戸という職種の、いち家政婦っぽい主人公が常に将軍のためを考え行動し、大出生した の章。
余談ですが、目覚まし時計の無い時代、どうやって将軍が朝目を覚まし 起きてから朝食を終えて 髭そって着替えるのかが垣間見れる(人にとってはもう めちゃくちゃ面白い)章。

まとめ

全体を通して、武士の生き方が垣間見れるとても良い本です。
江戸時代 本当に長い間世の中を治めた、徳川家の江戸幕府システムの凄さと、その為にいなくてはならなかった江戸城内の職員達のドラマ。
2017年にはもう存在しない職種ばかりですが、当時の人達に思いを馳せて是非多くの日本人が読んだら良いなと思う内容でした。

ところでこの作者の本は初めてでしたが、ファンの中ではそんなに人気がないのかAmazonのレビューは対して好評ではありませんでした。
上田秀人を一度も読んだ経験がなかったから、また良かったのかもです。

 

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2017-02-19 | カテゴリ >> 読書感想文 

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